Hello Gorgeous!!



「バンデン プラ」あるいは「バンデン プラス」という名を聞いた事は
ございますか?

ベルギーにかつてあった自動車メーカーで、イギリスにも支社がありました。

イギリスの自動車メーカーの遍歴はあまりにも複雑すぎて、私の
頭の中では全く整理できずにいるのですが、イギリスのバンデン
プラス社は本国ベルギーとは違う路線で経営を進めており、
ロールス・ロイス社やベントレー社のボディ制作を請け負い、
地位と名声を高めていきましたが、戦後英国の自動車産業が
大ダメージを受けオースチン社に吸収されてしまいました。

英国内の経済状況も察しがつくものですが、吸収されたバンデン プラスは
オースチン社の大型セダンをベースに高級車をリリース。
バンデン プラス社の生産工場、Princess Carsから生まれたその車は、
『バンデン プラス プリンセス』として命名されました。

ベルギー発祥のバンデン プラス社は馬車の内装や家具を造る事から
始まり馬車→車社会へと移行してきたので、手の込んだ作業、内装を
豪華に装飾する能力に長けていたのです。

やがてオースチンもモーリス社などと合併・吸収などがあり、ブリティッシュ
モーター コーポレーションが誕生。
バンデン プラはBMC社の高級部門のポジションが与えられました。

BMC?何か聞き覚えがありませんか?
そうです、Classic MiniももともとBMC社の小型乗用車でしたね。

自分なりに分かりやすくまとめると、当時のイギリスは自動車メーカーが
どんどん合併し、例えばトヨタやニッサンやホンダが一つのメーカーとなり、
スポーティ部門、小型車部門、高級車部門、とそれぞれのメーカーが得意と
する分野でそれぞれが生きていた、といったところでしょうか。

当時はバッジエンジニアリング、と呼ばれる考え方で車は作られていて、
ある一つのベースモデルを少しずつ改良、変更をしてモデル数を増やして
生産されていました。

簡単に言うとセド・グロみたいなもんですかね(笑)

BMC社からリリースされたコードネームADO16というモデルは、販売台数と
共に徐々にチャンネル数が増え、オースティン、モーリス、ウーズレー、
ライレー、MG、バンデン プラスと6バージョンが造られました。

愛称の「バンプラ」と呼んでいる車はADO16のバンデン プラス社版と
いうことだったのですねー。

さてそれがどーした?という事なのですが、このADO16というモデル、
ADO15というモデルの後継車なのですが、それもどーした?ですよね。

実はコードネームADO15とは、モーリス・ミニマイナー、オースチンセブン
のことであり、つまりはClassic Miniなんです!

ADO16はMiniの販売功績を受け、後継モデルとしてデビュー、設計は
おなじみアレック・イシゴニスとピニン・ファリーナのダブルネームという、
車好きにはちょっとトリビア度の高いお話でございます。

このADO16の高級バージョンを担当したのが、プリンセスというワケで
バンデン プラス社の有能な職人を大切にする気質、妥協を許さない
細部までのこだわり、それによりロールス・ロイスやベントレーからも
認められる信頼と技術力の高さが実を結んだ、というワケです。

ちょっと長編になりましたが、明日も続けちゃいます(笑)
                                   (記:KAZU)

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