こんにちは!MINI湘南の新井です。
今回はちょっと特別な旅のお話を。先日、西伊豆にある旅館 「山光荘」 に泊まってきました!
ただの旅館じゃありません。ここ、なんと 「倉」に泊まれる 宿なんです。
しかも、温泉は 源泉かけ流し。そしてさらに、伝説の左官職人・入江長八の鏝絵(こてえ) まで拝めるという...まさに 知る人ぞ知る名宿!
そんな「山光荘」の魅力を、今日はじっくりご紹介します。
■ 「倉」に泊まる、非日常の夜

宿に到着して入るとすぐにあらわれるロビー、すでに「味」が出過ぎてて最高としか言えない空間です。
宿泊の受付を済ませてから、案内された部屋は...長八の間という名の「倉」。
もともと倉だった建物をそのまま客室にしているんです。
外観は歴史を感じる白壁の蔵造り。
でも中に入ると、昔ながらの趣を残しつつも快適な空間が広がる。
「長八の間」自体が二階建て構造となっており、入ると左手に急な階段、右手に側には部屋というか物置というか独特な空間が(笑
土壁の質感、木の香り、ひんやりとした倉の独特な涼しさ...。
普段のホテルや旅館とはまったく違う雰囲気に、一瞬で旅情が深まります。
そして、急な階段を登って2階に上がると出てくるのはしっかりとした広く渋い和室。
襖のいたるところに「絵」と「書」が貼られ、生きた美術館と言っても過言ではない空間にワクワクが止まりません。
■ 入江長八の鏝絵がある部屋
ただ、ワクワクはこれだけではございません。
むしろこれからが本番!
この宿の最大の魅力のひとつであるのが、
この部屋にかの(?!) 有名な入江長八 が手掛けた 鏝絵(こてえ) が残されているんです。
長八といえば、江戸時代の名工。漆喰を使って立体的な装飾を施す技術は、まさに職人技の極み。
その作品が、ここの旅館の名物になっている「長八の間」に残っているのです。
部屋から外を眺めると見えるのが倉の観音扉。これぞ長八の作品。
白い漆喰にあらわれる優美な虎や龍の姿。
壁に光が当たると、浮かび上がるように見える立体感。まさに芸術品...!
外から見ても美しい佇まい。(外からしか見られない登り龍も!)
よく見ないと見落としてしまうぐらい、いたる所に作品があります!
違う窓から外を覗くと可愛い小鳥たちも。
明治期の作品がこんなもキレイに、しかも「用の美」ならぬ旅館の一室になっているのが信じられないぐらい。
ただ泊まるだけでなく、歴史と芸術に触れる体験ができる宿。
これはちょっと、贅沢すぎるのでは...?
■ つげ義春の「長八の宿」-- 聖地巡礼の旅
実はこの宿、漫画好きの方なら ピンと来る かもしれません。
そう、つげ義春作品の物語の一つ 『長八の宿』 のモデルになった宿なんです。
旅人がひっそりと泊まる、侘びた宿の風情。
つげ作品の世界観がそのまま残るこの場所は、まさに 「聖地」。
当時連載していた「ガロ」を部屋に置いてあるという、おもてなし!
本の中で描かれた旅情と、実際の宿の空気がぴたりと重なり合う。
部屋に座り、ぼんやりと天井を眺めていると、まるで物語の中に入り込んだような気分に。
一階のスペースには、今までのつげさんとのやりとりした年賀状も展示していました。
つげ義春ファンにはたまらない!
■ 極上の源泉掛け流し温泉
旅の醍醐味といえば、やっぱり温泉!
「山光荘」のお湯は 源泉掛け流し。
しかも、泉質がもう最高なんです。
伊豆には珍しい、カルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉(芒硝泉)
無色透明で、源泉温度は52℃。(使用温度は42℃)
湯船の淵にびっしり固まった湯の花が、温泉の濃さを物語っています!!
湯船に浸かると、 じんわりと体の芯まで温まる。
湯上がり後もいつまでもぽかぽかが続く感覚...。
西伊豆の静かな夜、貸切状態の湯船にひとり。
ただお湯に身を任せ、何も考えず、ぼーっとする。
これこそが 旅の醍醐味 ですよね。
■ 「山光荘」でしか味わえない時間
歴史ある 「倉」に泊まる という非日常体験、
伝説の左官職人 入江長八の鏝絵 に触れる感動
漫画 『長八の宿』 の世界に入り込む聖地巡礼
そして、体を芯から癒やす 極上の温泉
これだけの魅力が詰まった「山光荘」。
伊豆の旅を、ただの観光で終わらせたくないなら、ぜひ一度泊まってみてください。
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